「ルルルルル ルルルルル ルルルルル・・・・」
会社の電話器のナンバーディスプレイに覚えのない電話番号が表示される。それもまだ朝8時30分だ。多分、間違い電話の類であろう・・
「はい○○です」
「もしもし○○さんですか」
「はい、そうですが」かなり年配の女性の方だ。
「一度しか使用していない電動歯ブラシが動かなくなってしまいまして・・・」
「はぁー」
「どちらにおかけでしょうか」
「○○さんですよねー」
「はい、そうなんですけども・・・・」
「新品の歯ブラシが動かないんです」
「あのー、私共の会社では商品の販売はしていませんので、何かの間違いではないでしょうかー」
「104にかけて相談したところ、こちらの○○さんの電話番号を教えて頂きまして・・・」
「いやいやいや、先程も申し上げた通り、私共の会社はそのような商品は扱っていないんですよー」
「歯ブラシはダメなんですかー」
「歯ブラシがだめなんじゃなくて・・・・」
これはやっかいな話しになるなぁーと思いながら、無下に電話を切る事の出来ない性分の自分がいる・・・私の会社は㈱三ツ矢電器研究所と言う名前で電話番号登録され、ネット上にもそう記載されている。仕事内容はLEDを使用したイルミネーションの企画やプランまたはイベントの企画運営などの仕事に携っている。電動歯ブラシなど販売していないのだ、まったくもってお門違いの問い合わせだ。
しかしこの年配の女性・・・(たぶん70~80歳台の方だと思われる)落ち着きのある話し方で理屈がしっかりしている。気の毒になってしまう。
しかし104の電話番号案内は随分と大雑把な対応だと思い、呆れてします。これで料金をとっているのだからひどいもんである。
「あのですねー、その歯ブラシを購入された販売店に問い合わせするか、メーカーさんに聞くのがいいと思いますよ・・・」
「お宅ではダメなんですか?」
「いやいや、そういうんじゃなくて・・・」
禅問答のような話が続いてしまう。聞けばご本人で購入されたものではなく、頂いたもののようだ。
どこかの電気屋さんに相談する様にでも104番で指示されたのであろう事が想像できる。その上で「電気」或いは「電器」と名前の付く近所の会社を教えたのかもしれない・・・まったくいい加減なものである。
長々と問答の末に最後は諦めて頂きましたが、彼女の問題は解決出来ずじまいです
「わかりました、有難うございました・・・」
「お力になれずすみません・・・」なぜ謝るんだと思いながら、電話を切る自分がいました・・・
comment
コメントを残す