昭和生まれの4っの奇跡(その2の続き)

昭和生まれの4っの奇跡(その2の続き)

大学生生活もいよいよ大詰め、工学部では卒業研究(卒研)と卒論の製作に入ります。

僕はN教授のゼミに入り卒論を作る事になりました・・・・

N教授はバリバリの工学博士でポンコツ大学生の僕にとっては異次元の人。

N教授の喋る言葉は日本語でありながらも何を言っているのかさっぱりわかりません。言葉の端々に出て来る専門用語は初めて聞く言葉ばかり、まさに外国人との会話。通訳なしでは到底理解できません・・・とはいうものの、これはゼミの中で僕一人でしょう・・・

マルクス・レーニンの資本論にはじまりスタニフラススキの演劇論を読破してきた自負をもつてしても先生の本は難解でさっぱりわかりません。

そんな訳を先生にはなすと、教授の研究の助手(雑用係)に任命されました。

こんな落ちこぼれ学生に手を差しのべてくれる先生の熱意に何とか答えようとする日々がそこから始まるのでした。

そして夏休みの事です・・・

軽井沢にある先生の別荘に呼ばれました。

先生の夏休みのお供だと思い出掛けると、既に一日早く到着している先生は、普段大学で見る姿とはまた違うラフな雰囲気です。

お酒も入り上機嫌で迎えてくれる先生は、まるで友達の様に接してくれます。

そしてその夜、今夜ここにあるお酒を、自分と一緒に朝まで飲み干したら卒業させてくれると言い出しました・・・

「え・・・・?」

ハテナマークの顔になっているであろう僕の顔をみて

「どうする・・・」

「いやいやいや、先生、断る理由などどこにもありません」

続く・・・・・・

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