僕の父親は大変な愛煙家でした。 朝起きると寝床で一本煙草を点けます・・・・当時は何処でも煙草を吸えた時代でした・・・ 歩き煙草はもちろんの事、朝のラッシュの駅のホームでも皆、煙草を吸っていました。飲食店はもちろんの事, テーブルには必ず灰皿が備えつけられていました。また映画館でも座席で煙草を吸いながら映画を見る事が出来ました。 今ではとても考えられない時代でした。 話は戻りますが、父が朝起きて寝床で煙草に火をつけると、カーテンの隙間から射す朝の陽が煙草の煙で浮かび上がります。 子供の頃はそれを見るのが大好きで、幾つもの光の帯に手を伸ばして遊んでいました。 子供の私にとっては煙草の煙は魔法の煙でした。 幻想的な光景に見えていたのでしょう・・・ 父親は既に他界していますが、今でも私は煙草の煙の中に父親の姿を思いだします。 煙草の煙は魔法の煙・・・
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diary隣のお客・・・
先日、ファミレスで食事をしている時の事です。 次の予定まで少し時間が空いたので、早めの昼食を兼ねて時間を潰そうと思いファミレスに入りました。レジ前でウエイトレスの方に『お好きな席へどうぞ」と勧められる。ランチの時間より少し早かったので店内はわりと空いていました。一人だったので4人掛けのテーブルは気が引けて、奥の二人掛けのテーブルに腰を下ろしました。 タブレットで注文をして、ポケットから文庫本を取り出し広げると、通路を挟んで左斜め後ろの席から大きな声が聞こえてきました。軽く振り向くと40~50歳台の二人組の女性の方です。一瞬目が合うとややトーンダウンしましたが、すぐに大きな笑い声が戻ってきます。 「まいったなぁ~」と思いつつ、今度は振り向く事をやめました。後ろにも男性のお客がひとり座っているのだが、気にならないのだろうか・・・ 食事が運ばれて来たので食べ始めていると、今度は携帯電話が鳴り、さきほどより大きな声で会話が始まり出します・・・・公衆マナーと言うものを知らないのだろうか・・・・せっかくの食事を止めて注意しに行こうかとも思いましたが、そんなことで食事を中断するのも悔しいし、そんなクレ―ムを言いに行く自分の器の小ささにも癪に障るので、「自分は全然平気」と言う体で食事を続けます・・・ 確か彼女達のテーブルにはドリンクのグラスが幾つかありました。多分、数時間フリードリンクで粘っているのでしょう。セールスか勧誘の仕事の合間に同僚と立ち寄っているのではないかと推測されます。 いまだ止まない大きな会話の声にだんだんと腹が立つてきました、しかし、見ず知らずの人に文句を言う勇気がなかなか出ません、そして文句を言った後の後味の悪さも気にしてしまいます・・・・「ああ、なにやってるんだ自分・・・」そんな風に思い悩んでしまう自分がよけいに不甲斐なく思います。 すると後ろの席に座っていた男性が立ち上がりました。「おお、いいぞ」と内心喜んでいると、男性は何事もなかったかの様に彼女たちの前を通りすぎ、出口に向かって行きました。 次の瞬間、私は立ち上がっていました。 右手に荷物、左手には伝票を持ちレジに向かう自分が居ました。会計を済まし店を出ると、「何やってんだ・・・情けない・・」と自問自答。 ああ、今日の食事は何を食べたのか?味さえ覚えていません。
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diary立春
2月4日は立春です。節分が過ぎると巷では春の装いです・・・街中のウインドウをはじめとするディスプレイは淡いピンクの色合いが増えてきますね・・・・コロナ禍で人出の少なかった昨今ですが、今年は心なしか町行く人が多いような気がします。今は亡き劇作の寺山修司の本に『書を捨て町に出よう』と言う作品があった事を思い出します。春になるとまた新しい出会いがあるでしょう・・・
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diary受験シーズン
駅の階段を降りて改札へ向かうと、受験生に向けたメッセージが目に飛び込んできました。 思わず足を止めて読み込んでしまいました・・これから改札を抜けて試験会場へ向かう受験生へのエールが書かれています。駅のスタッフの方々が書いたもののようです。 ここの街には沢山の学校があり大学生や高校生、専門学校生がこの駅を利用しています。受験シーズンを迎えて、駅員さん達が仕事の合間に作ったものだと思うと感動してしまいます。 大人達が若者の背中を押す姿を想像すればするほど嬉しく素敵だなぁ~と思い写真に収めてしまいました。 受験など無縁になった今、遠い昔を懐かしみながら、久しぶりにホッコリする時間を頂いた気がしました。
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diaryⅠ監督のお話し
我が少年野球チームのⅠ監督は御年76歳です。76歳にしてバリバリの現役監督です。子供とキャチボールもすればノックもします。20年来の付き合いになりますが、20年前とほとんど変わりないような気がします。土日は少年野球の監督で平日は趣味の畑仕事で大忙し・・・昨日も『市民農園の今年の申し込み抽選をするので名前を貸してくれ』・・・と夜に、私の家にやってきました。私にとっては人生の大先輩のⅠ監督です。私も年々歳を重ねて気が付けば周りは年下ばかり、会社の中では上司もいなく、師匠も既に他界して先輩にあたる友人も数少なくなりました。そんな中でI監督は頼もしい大先輩です。いつも背中を見ながら、こんな風に歳を重ねる人生は素晴らしいなぁ~と思いながら勇気づけられています。日曜日の朝、まだまだ春の気配は遠く寒い日が続きます、暖房の利いた部屋から勇気を出してユニホームに着替え自転車に乗りグラウンドに向かうと、目の前をユニホーム姿のⅠ監督が風を切るスピードで自転車をこぎ走っています・・・私も遅れまいと自転車のペダルを踏む足に力を入れて今日も彼の後ろ姿を追いかけます・・
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diaryちょっと昔の話から
最近、私の家の近くに建売住宅が46戸も建つことに事になりました。近所の地主さんが土地を手放す事により大手デベロッパーが開発事業にのりだした模様です。私が子供の頃にはこの辺も畑や空き地ばかりで、家は数えるほどしかありませんでした。しかし今では空いてる土地を探す方が難しいくらいです。子供の頃の景色はまったく残っていません。つい先日、仕事で学生時代に住んでいた町を訪れた時も同様、その町はまったく様変わりしていて見覚えのない街並みに変わっていました。5年、10年の月日は町を様変わりさせ、住んでる人もみな変わってしまうようです・・・そんなことを思うのは歳をとったからでしょうか。いずれにせよこれから近所には46もの家族の方が入ってこられます。中には若い世代のご夫婦や、小さなお子さんや小学生の転校生もいる事でしょう・・46の人生とドラマが始まります。私事ではありますが、息子が結婚をして新居を建てた時の事が思い出されます・・・今、二階のベランダから更地になった広大な土地を眺めながら、ここで生まれ育った私の明日にも新しい風が吹くような気配がします。
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diary第一印象
人の第一印象は3秒で決まると言います。 営業先で初めて出会ったひと、美術館などで初めて目にする絵画、お店での洋服選び、通りがかりの飲食店の外観、中に入って目の前に運ばれてきたときの料理、部屋選び等々・・・・第一印象は最初の3秒から長くて1分で決まると言われています。その後は多種多様の情報により刷り込まれる事が多いいです。この第一印象が良いと、後々何かとよい結果につながるようです。私の経験でも、最初の印象が悪いと、その後の仕事が芳しくないと『やっぱり・・』と言う方式が出来てしまう事が多々あります。逆に最初の印象が良いと多少のことはスルー出来る事が多いです。これから春に向けてのプレゼンがはじまります。最初の3秒のハードルを越えれば選ぶ側の耳が良心的に傾く事に注視しながら準備を始めます・・・この3秒に失敗するとその後の逆転劇は苦戦が強いられます。さああすも最初の3秒で勝負です・・
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diary何もない一日
朝起きてパソコンに向き合い電源を入れキーボードに手を移す・・・モニタ―から流れるニュースは数十年ぶりの大寒波がやって来ると警戒を呼び掛けるニュースだ。 今日は久しぶりの休日である・・・しかし昨夜からこのニュースが何度も流れている、確かに私の住む東京でも朝からかなり気温が低く小雨もちらついている・・・外に出る気もまったく起こらない。せっかくの休日、何をして過ごそうか・・・まったくのノープランだ。こんな日はおとなしく家で過すのが賢明かもしれない。 私は家で仕事をする時間が多いもので、家に居ると習慣でつい仕事が始まってしまう。しかし今日一日はやめよう。そな事を思いながらブログのページを埋めています・・・大雪の予想が呼びかけられている地方の皆さん、どうぞお気を付けてお過ごしください。
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diary最近のマスク事情…
ここ2~3年、コロナ禍の影響で、日常の中でマスクをつけての生活が当たり前になって来ました。特に営業などで初めてお会いする方の前ではマスクをつけるのが世のマナーです。しかしながら、マスクをつけた上での顔を覚える事が私はなかなか出来ません。皆さんはいかがでしょうか・・・顔の半分以上をマスクで覆われて、目しか見えないのはいささか困ります。特に若い女性などは、皆同じ顔に見えてしまいます。目元の化粧が似ているように見えてしまうのは私だけでしょうか?皆さんはこの難解な事情についてどのように対応しているのでしょうか・・・あ~、また来週お会いするクライアントも複数の女性の方だ・・・きっと誰が誰だか覚えられない事になると思います。
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diary介護のお話し
今日は介護お話しです。 私の母が介護施設に入所して一年が過ぎました・・・それまで認知症の症状が現れてからも何年も自宅で過ごしていた母ですが、年を追うごとにトラブルが増え、私との言い争いも日々増える中、本人も家族もストレスの溜まる毎日でした。私も分かっていながら認知症の母に注意をしたり怒ったりの繰り返しです・・・私も注意すれば改善されると思い込んでいたのでしょう。否、治ると思っていたのだと思います・・・しかし現実は日々悪化する一方です。周りから介護施設に入れる事を何度もすすめられましたが、私はその決断が出来ず何年も母を家に置く事を選択していました。母親を家族以外の他人に預けてしまう事と母がこの家から居なくなる現実を受け入れられませんでした。高齢の母親の介護を放棄してしまうような罪悪感との葛藤に答えを見つけられず時間ばかり過ぎてしまいます。しかし現実はどんどん下り坂を転がり出します。私の外出中にケガをしたり事故に巻き込まれそうになったりの繰り返しです。そしてついに介護施設のお世話になる事になりました。今は、あの夜も寝れない葛藤の日々を振り返りながら、母が健康で安全な場所で日々過ごせている事に安堵してています。そして施設の介護プロのスタッフの方には感謝の気持ちです。今も日本のどこかで私と同じ悩みを抱えながら親の介護をされている方が沢山いらっしゃる事と思います、本当に心中お察し申し上げます・・思う事は「介護は頑張る事とか我慢する事では解決できないのかもしれない」そんな風に遠くを眺める今があります・・・
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名前✏️みつやいさお
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年齢👨昭和の時代の東京生まれ
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職業・経歴📃子供の頃は野球小僧、
将来の夢はプロ野球選手。
大学生時代に演劇に携わり、卒業後は某劇団の演出部に就職。
現在は装飾、
ディスプレイの美術デザイン、
演出、施工などの仕事に携わる。 -
趣味🚗野球、読書、ドライブ、ギター、
キャンプ・・・とにかく多趣味。
趣味と仕事は同次元。 -
好きなもの🍜ラーメン、焼肉、甘い物
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映画🎞️ゴッドファザー、スケアクロウ、
プラトーン -
演劇🎭上海バンスキング、昭和の時代の状況劇場。
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好きな作家📗熊谷達也、原田マハ、宮沢賢治
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好きな風景🌊ノスタルジックな採光のある場所海の見える景色。
グラウンドから見上げた照明塔 -
座右の銘👍美は乱調にあり